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科学界に拡大する「コピペ疑惑」…“ニューヒロイン”の今後はどうなる

ノーベル賞受賞者と、同賞最有力候補という日本の自然科学界の巨頭が並んで謝罪する姿を、だれが想像しただろうか。

3月14日に行われたSTAP(スタップ)細胞論文をめぐる一連の問題に関する中間報告の記者会見で、理化学研究所の調査委員会は画像の流用などを認定し、幹部は理研発生・再生科学総合研究センター(CDB、神戸市)に所属する論文筆頭著者の小保方(おぼかた)晴子・研究ユニットリーダー(30)を「未熟な研究者」と切って捨てた。
米サイトの文章との酷似などが指摘されている小保方氏が早稲田大に提出した博士論文も、取り下げの意向が示されている。
「日本人女性初のノーベル賞か」とまで期待された科学界のヒロインは、論文発表からわずか1カ月半で、これまでの研究成果をすべて失う可能性が浮上する事態となった。

■「論文の体をなさない」

「科学社会の信頼性を揺るがしかねない事態を引き起こしたことに対し、おわびを申し上げます」
14日、東京都内で開かれた会見の冒頭、2001年にノーベル化学賞を受賞した理研の野依良治(のより・りょうじ)理事長(75)は約10秒間にわたり頭を下げ、謝罪した。
理事を一人はさんで隣に立つ、2012年に米情報会社「トムソン・ロイター」がノーベル賞の有力候補者にあげた竹市雅俊CDBセンター長(70)も同様に頭を下げた。
会見を見たある研究者は「野依先生に頭を下げさせるなんて…」と、一連の事態が及ぼした影響に絶句した。

「最も重要な会見」として、当初予定のなかった会見への出席を急遽(きゅうきょ)決めた野依理事長は「未熟な研究者が膨大なデータを集積し、ずさんに取り扱った。
責任感も乏しい」と怒りをにじませ発言した。

竹市センター長も「なぜミスが見逃されたのか、私自身が理解できない」と苦渋の表情を浮かべた。

1月末、小保方氏らが英科学誌ネイチャーにSTAP論文を発表した際、新たな万能細胞の登場として世界的に注目を集めたが、この日の中間報告では、STAP細胞の万能性を示す画像4枚が、実験状況が異なる小保方氏の博士論文の画像と同一と認定された。
DNAの分析結果を示す実験画像に切り張りした跡があることや、実験手法の記述が他の研究者の論文からの“盗用”だったなどとする疑問を含め、4項目については「悪質な不正があったかどうか」というポイントを中心に調査が継続される。

ただ、竹市センター長は「完全に不適切。論文としての体をなしていない」と厳しく批判し、小保方氏らに論文の撤回を求めたことを明らかにした。
この事態は、STAP細胞に関する研究成果が白紙に戻る可能性が高まったことを示していた。

■4時間超の会見、「最大の衝撃」の瞬間

4時間を超えた理研の会見で、最大の衝撃が走ったのは、小保方氏が画像の切り張りについての聞き取りに対し、「やってはいけないこととの認識がありませんでした」と答えた、と調査委の石井俊輔委員長が説明した瞬間だった。

石井委員長は「抵抗がなかったのか倫理観を学ぶ機会がなかったのか。
コメントするのは適切ではない」と述べたが、幹細胞研究を行う関西の国立大の教授は「データをいじってはいけないことは、学部生でも徹底されている。
それを認識していなかったという状況はありえない」と首をひねる。

会見で、野依理事長らから「未熟な研究者」という厳しい指摘を受けた小保方氏。
ただ、それゆえに論文を指導した小保方氏の上司である笹井芳樹CDB副センター長について、石井委員長は「論文作成は小保方さん、笹井さんの共同作業だった」と、長年の経験を積んだ指導者として、役割の重さを指摘した。

疑問が出ている項目は、すべて小保方氏が画像を管理し、笹井氏の指導下で行われた研究に集中していることも明らかにされ、野依理事長は「(笹井氏の)責任は非常に重い。
第一に反省してもらい、今後、どのような態度を取るか、研究者として表明してもらう」と、指導体制を含めた問題であると認識していることを示唆した。

■“コピペ”で博士号剥奪?

小保方氏による論文は、博士号を取得するため早稲田大に提出した博士論文でも問題が指摘されている。

この論文は英語で書かれており、約100ページのうち研究背景を説明する20ページが、米国立衛生研究所(NIH)のサイトの文章とほぼ同一と判明したのだ。
引用の記載がなく流用の疑いがあるとして、早大が調査を行い、小保方氏自身も取り下げを早大の教員に申し出ている。

博士論文の取り下げにより博士号が取り消される可能性もあるが、理研は14日の会見で「(博士号がなくても)制度的に理研で働くことは可能」としており、今後、小保方氏が理研に籍を置けなくなるかは不透明だ。

一方で、小保方氏の論文を検証するブログでは、早大で小保方氏が所属していた研究室などで、他の学生の博士論文にも、海外の他論文からのコピーアンドペースト(いわゆるコピペ)があるとする指摘が上がっており、コピペ疑惑が拡大する可能性も浮上している。

また、STAP論文をめぐる疑惑が、日本の科学界にも影響を与えかねないという危惧(きぐ)も広がる。
ある国立大教授経験者は「日本の科学界が今後どうあるべきか、私たち自らが指針を示していかなければいけない」と指摘し、米国籍を取得した南部陽一郎博士を含めるとノーベル賞受賞者を16人輩出した日本の自然科学系研究の信頼回復に努めたいと話す。

ただ、STAP細胞そのものの真偽については、「科学者コミュニティーによる検証をお願いしたい」(竹市センター長)として、現時点で答えは出ていない。
理研関係者は「半信半疑でも、STAP細胞の存在を信じている研究者もいる。
第三者による検証の成功を祈っている」といちるの望みをつないでいる。

引用元はこちら



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