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ホットドッグの絵文字を―米国で請願書

【ウィーリング(米イリノイ州)】ローラ・アースティックさんはとある金曜日の夜、バーで携帯電話をいじっていた際、emoji(絵文字)の一覧の中に、明らかな欠落があることに気付いた。
この象形文字のようなイラストについては、無視する人もいれば、ある種の第2言語として受け入れている人もいる。

アイスクリームや子犬、自動車、ピザ、スシを表す絵文字はあるものの、まさに米国的なホットドッグがないのだ。

1948年からホットドッグを販売してきた「スーパードッグ・ドライブイン」で3代目の店長を務めるアースティックさんは「人々はホットドッグの絵文字を求めている」と話す。
「ホットドッグ・コミュニティーが軽視されている」。

日本で携帯電話とともに始まり、ここ数年はスマートフォンへも拡大している絵文字は携帯メールやソーシャルメディアで一定のユーザー間の共通言語となっている。
絵文字は超高層ビルからマティーニのグラス、ブタの鼻に至る何百というカラフルなイラストでメールを彩ってくれる。

ホワイトハウスの公式ツイッターでも絵文字は使われている。
先月のツイートには「北米サミット出席のためメキシコへ」とあり、大統領専用機「エアフォースワン」の画像の横に飛行機の絵文字が3つ並んでいた。

「Emoji Dick(絵文字ディック)」は19世紀の捕鯨をテーマにした小説「白鯨」を絵文字に翻訳した本で、ボリュームは約800ページ。
この絵文字翻訳本は昨年、米連邦議会図書館に収蔵された。
本の中では大きな白いクジラの代わりに青いクジラが登場し、エイハブ船長はさまざまな顔や動物、記号などで表現されている。

ニューヨークで昨年12月に開催された絵文字アート&デザイン・ショーでは約30種のオリジナルアート作品が紹介された。
ツイッターで使われる最も人気ある絵文字を紹介しているemojitracker.comのサイトや、「The Garden of Emoji Delights」と呼ばれるインスタレーション、ビニールでできた壁紙「Emoji Wallpaper」など注目を集めた。

今、アースティックさんを始めとする人々は、新たな絵文字の追加を求める運動をしている。
アースティックさんは、自身が提案するホットドッグの絵文字の模型が出迎えてくれるレストランの小さなオフィスに座り、「ツイッターで何かかわいいものを書こうとしても、そこにない」と嘆く。

他にもカップケーキやベーコン、ユニコーンなどを推す人がいる。
フェイスブックには「(メキシコ料理の)タコスの絵文字を全宇宙が要求している」というページがあることは言うまでもない。

だが、こうした要求をどう伝えるかについては多くの混乱があるようだ。

例えばアースティックさんの場合は、オバマ米大統領と日本で初期の頃の絵文字を作った栗田穣崇さんに宛てて請願するという、いくらか遠回りの方法でホットドッグの絵文字への願いを追求している。
これまでのところ、アースティックさんは300件近くの署名を集め、「群衆の力」に期待を寄せている。

こうした請願に加え、アースティックさんは1日約5時間をソーシャルメディアに費やし、ツイッターに「HotDogEmoji」とハッシュタグ付きで投稿したり、フェイスブックに「May the HotDogEmoji Be With You(HotDogEmojiと共にあらんことを)」と投稿したりしている。

ただ、「絵文字ディック」を編集したデータエンジニアのフレッド・ベネンソンさんのように、こうした絵文字の世界にどっぷり浸かっている人でさえも、絵文字が採用されるプロセスには明るくない。
「誰がどう決めているかについて、私はまだよく分かっていない」とベネンソンさん。
結論から言うと、絵文字はユニコード・コンソーシアムと呼ばれる非営利団体が主に管理している。
世界の多様な言語がインターネット上で高速にやりとりされる際、どこかで伝送不能に陥らないよう、コーディングの標準化を図るためにプログラマーが1980年代に設立したものだ。

コンソーシアムの共同創設者でグーグルのソフトウエア設計者のトップでもあるマーク・デービスさんは、イラストが満載の日本のメールを扱う中で、一時的な中断が起こるようになり、絵文字を相手にするようになったと話す。

デービスさんは、コンソーシアムは既存のシンボルであればたいていコード化していると指摘する。
そのため、現在入手可能なほとんどの絵文字は日本でもともと作成されたものからとっているという。

スイス・チューリヒの自宅でデービスさんは「オリジナルの新しいシンボルは作らない。
標準的な絵文字に付け加えるかどうかは、過去もしくは現在に何が起こったかを見て決める」と話す。
新しい絵文字は定期的に追加されている。
コンソーシアムが採用を決めると、今度は個別のテクノロジー関連企業が自社のオペレーティングシステムに組み入れるかどうかを判断する。

DoSomething.orgは「アップルへ:もっと絵文字を増やして」と題するオンライン請願書をサイトに掲載している。
肌の色が異なる少なくとも4つの顔の絵文字を求めるこの請願書には約4000件の署名が集まっている。
署名が1万に達すればアップルへ請願書を提出すると同グループは話す。

アップルの広報担当者は「絵文字のセットにはもっと多様性が必要であり、私たちはスタンダードな絵文字を刷新するため、ユニコード・コンソーシアムと緊密に作業をしている」と述べた。

デービスさんは、コンソーシアムにはホットドッグの絵文字への要求はまだ届いていないが、実現の可能性は低いと指摘する。
ホットドッグはややわがままな要求だとデービスさんは言う。
「ホットドッグの絵文字の問題は、ホットドッグで何がしたいかということだ。
それにケチャップがあったほうがいいか、それともないほうがいいのか」と付け加えた。

しかし、アースティックさんは諦めていない。
ホットドッグ好きとメーカーを集めて、「ホットドッグ絵文字同盟」を作った。
最近では、ホットドッグ早食い大会で入賞したパトリック・ベルトレッティ(ニックネームはディープディッシュ)さんもこの同盟に参加した。

絵文字に対する飢えを理解する1人が、日本の絵文字のパイオニアである栗田さんだ。
日本にはおにぎりの絵文字があるから、ホットドッグもあっていい、と栗田さんは言う。

ホットドッグは米国人にとってのおにぎりだろうから、と。

引用元・ホットドッグのイラストもこちら


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