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中国はなぜ世界的なCEOを輸出しないのか

米マイクロソフトの新最高経営責任者(CEO)にインド出身のサティア・ナデラ氏が指名されたことで、中国にはちょっとした動揺が起きた。
同国の人々は、米企業ではなぜ中国人ではなくインド人がトップに就くのかと首をかしげている。

ペプシコのインドラ・ヌーイ、ドイツ銀行のアンシュ・ジェイン、マスターカードのアジェイ・バンガといった企業のトップたちが西側で成功した明確な理由は言葉と西側文化の熟知だ。
しかし、ヘッドハンターたちは、インド人は本国でより多くの機会や高い賃金を期待できる中国人よりも外国に移ることに積極的だ、と指摘した。
中国のディレクターレベルの管理職の年間給与は既に13万1000ドル(1360万円)で、日本とほぼ同じで、平均3万5000ドルのインドの4倍になる。
人事コンサルティング会社エーオン・ヒューイットがテクノロジー企業を対象に調べたところでは、中国の給与は米国の平均を5分の1下回るだけだという。

インドは生活するのが難しいが、中国はここ数年は前より住みやすくなっており、HSBCの調査では、海外勤務者にとって人気ナンバーワンになっている。
大気汚染や景気減速を逃れて国を離れようとする企業幹部でさえ、東南アジアや中南米といった本格的に国際経験ができる市場よりも香港あるいはシンガポールに行こうとする。

企業幹部ヘッドハンター企業のコーン・フェリーのシニアアドバイザー、エマニュエル・エメルル氏は「どうしたら中国人を発展過程にあるブラジルに派遣できるだろうか。
これは非常に難しい」とし、「中国は高成長の市場であり、だれもがそこにはチャンスがあると見ている」と話した。

中国の大卒は今年は730万人増えると見られるほど多いにもかかわらず、トップ級の人材に乏しい。
コンサルティング会社のマッキンゼーはある報告で、中国人の求職者のうち外国企業に適しているのは平均して10%以下だとし、これは英語能力が劣り、教育制度も実務よりも理論が中心になっているためだという。

西側企業は中国で常に求職者が選択するものというわけではない。
公営企業や民間企業は国内の人材を探している。
同国の最も有望な企業幹部らへの注目度は高く、多くの人はチャンスは海外よりも国内の方が大きいと感じている。

これは正しいかもしれない。
同国の最も輝ける労働者はスピーディーに出世する。
エーオン・ヒューイットによれば、同国でインターンからCEOになるまでの期間は平均15年で、海外の25年よりはるかに短い。
デロイト・アンド・トウシュ・オーバーシーズ・サービシズLLPのマネジングディレクター、ドン・リーガー氏は「中国には全般的な人材不足があるため、企業は海外から人材を招くのを避けて、可能性のある中国人に早く上級の仕事を覚えてもらおうとする」と述べた。

エメルル氏によると、例えば中国の消費財業界では幹部は米国のそれに比べて大幅に高い給与をもらっている。
中国の幹部は海外に行けば、昇給が小さく、昇進にも時間がかかることが時にある。

一部のケースでは、多国籍企業は中国市場が極めて重要であることから、中国人幹部には中国内で働いてもらおうとする。
しかし、このような人たちは中国の専門家で他の市場にはあまり適さないと見なされるようになるため、こうしたやり方は中国人のキャリアに打撃を与える可能性がある。
別のケースでは、中国人を海外に送ろうとする企業はしばしば抵抗に遭う。

米国と中国に勤務したIBMのベテラン、チャールズ・ウー氏(36)は海外に派遣され、1年か2年で戻ってきた多くの中国人社員を見ている。
同氏は「彼らは中国は非常に急速に発展しており、そこから離れたくないと言っている」と述べた。

しかし、あまりに中国に執着していることが不都合な場合もある。
リスクは、言葉もよくでき、より広い世界観を持った次の中国人マネジャーの波にのまれてしまうことだ。

外国の職場を避けて国内企業に勤務する道を選ぶ中国人幹部は驚かされる可能性がある。
大手の中国民間企業は、幹部昇級の条件として海外での複数のポストを求めるようになってきているのだ。
国営企業もグローバル化しており、スタッフを海外に派遣している。

北京生まれのエイミー・ヤン氏は、ヘッドハンターが中国に残れば早く昇進し、給与も良くなる可能性があるとしていたが、2007年に米大手消費財メーカーで働くために同国に移ったことを後悔していないと話した。
米国とアジアのいずれかでのチャンスを狙っている同氏は「中国に残っていたなら、世界レベルでブランドを構築して変革をリードする機会に恵まれなかっただろう」とし、「キャリアはマラソンであり、短距離走ではない。
私の世界的な経験はいずれ役立つ」と語った。

引用元はこちら


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